プレサンス社長冤罪事件

大阪地検特捜部が摘発した学校法人「明浄(めいじょう)学院」を巡る業務上横領事件では、不動産開発会社「プレサンスコーポレーション」(大阪市)の山岸忍社長が逮捕・起訴された。

だが公判で、山岸社長の関与を認めた元部下に対して、田渕大輔検事が「会社の評判をおとしめた大罪人」と責めるなどしていたことが判明した。

2021年10月の大阪地裁判決は「虚偽証言をする強い動機を生じさせかねない」と小林氏(元部下)の証言の信用性を否定し、山岸社長を無罪とした。検察は控訴せず、無罪が確定した。

山岸社長は2022年3月に国を提訴した。

法廷で録画ビデオが流れた

2021年7月8日、大阪地裁の201号法廷。山岸忍・元社長の公判で、田渕大輔検事が、小林佳樹氏に取り調べをした際の音声が約50分間、流された。

「あなたはプレサンスの評判をおとしめた大罪人ですよ」「損害を賠償できます?10億、20億じゃ済まない。それを背負う覚悟で今、話をしていますか」

この取り調べがあった翌日、小林氏は山岸社長の関与を認める虚偽の供述を行った。特捜部はその1週間後、山岸元社長を逮捕し、元部長の供述を有罪立証の柱に据えた。

だが、大阪地裁は、検事の発言の一部について「必要以上に強く責任を感じさせ、その責任を免れようとして真実と異なる供述をさせかねない」と指摘。

映像を証拠請求し、元部長の供述を信用できないとした弁護側の主張を認め、山岸元社長に無罪を言い渡したのだった。

田渕健司検事の暴言録

プレサンス社長冤罪事件の捜査で、田渕大輔検事(大阪地検特捜部)が小林佳樹氏(通称:小森)の取り調べ中に行ったとされる暴言等は以下の通り。(参考・出典:著書「負けへんで!」山岸忍)

  • 「あのさ、こんなもの(=メモ)見せられてまだそんなこと言ってんの。ふざけなさんなよ」
  • 「反省しろよ、少しは。何開き直ってんだ。大ウソじゃないか。ウソつきましたよね。ついたよね」
  • 「プレサンス役員全員逮捕されちゃいますよ、証拠隠滅罪で。どのみち終わりですよ、プレサンス。あなた詰んでるんだから。もう起訴ですよ。っていうか有罪ですよ、確実に」
  • 「黙秘ですか。小林さんひどくないですか」
  • 「いっちょまえに『ウソついてない』なんて。かっこつけるんじゃねーよ。ふざけんな」
  • 「何ビビってんだよ」
  • 「検察なめんなよ」
  • 「あなたはプレサンスの評判を貶めた、世間の評判を貶めた大罪人」
  • 「営業損害を受けたとか、株価が下がったとかの損害を賠償できます? 10億円、20億円じゃすまないですよね? それを背負う覚悟で今、話をしていますか?」

田渕検事に関連する検察官

名前 所属・評判など
蜂須賀三紀雄
(はちすか・みきお)検事
大阪地検特捜部の上司。プレサンス社長冤罪事件の不当捜査を指揮した。
経歴→
末沢岳志
(すえざわ・たけし)検事
プレサンス社長冤罪事件において、山下隆志氏(通称:山本さん)の取り調べを担当した。
山口智子検事 プレサンス社長冤罪事件において、無実の山岸忍社長の取り調べを担当した。
堀木博司 プレサンス社長冤罪事件において、無実の山岸氏を勾留し続けた。
久岡修平 山岸社長の内妻の家宅捜索の際、ソファーにふんぞり返っていた男
山本裕之 大阪地検の特捜部長?
田辺泰弘 大阪地検の検事正
上野友慈 大阪地検の検事長

プレサンスは2007年上場

プレサンスコーポレーションは2007年12月20日、東証2部に上場した。

関西地区を地盤に「プレサンス」ブランドでワンルームマンションなどの販売を行う会社だ。

上場時点では、単身者向け賃貸に供される投資型のワンルームマンション、ファミリーマンションの販売を主たる事業に、介護サービス・クリニックを併設したシニア向けエイジングマンションなど企画開発を行っていた。

上場するまでの段階で、ワンルームマンションでは大阪市に「プレサンス心斎橋リベルタ」、京都市に「プレサンス京都駅前千都」、神戸市に「プレサンス神戸駅前グランツ」などを手掛けていた。

事業エリアは大阪市・京都市・神戸市・名古屋市などの主要都市だった。